こんにちは、ミソです。
爬虫類や昆虫などを飼育していて、コバエなどに悩まされている方も多いのではないでしょうか。夏になれば蚊も発生しますし、目の前を悠々と飛ばれると鬱陶しいですしストレスも溜まることでしょう。
出来ることならば殺虫剤や蚊取り線香などで対処したいところですが、レオパ飼育においてはそれがとても危険で致命的な行為になってしまう可能性があるのをご存知でしょうか。
今回の記事は爬虫類飼育において『殺虫剤』や『蚊取り線香』などを使用するリスクなどについてまとめてみました。
殺虫剤や蚊取り線香の何が危険なのか?
そもそも殺虫剤や虫よけの何が危険なの?
虫じゃなくて爬虫類にも効くの?
爬虫類にも効いてしまうピレスロイドのリスク
多くの殺虫剤や虫よけの商品にはピレスロイドと呼ばれる除虫菊に含まれる成分が使われています。
ピレスロイドは昆虫・爬虫類・両生類などに作用する神経毒ですが、人を含む哺乳類や鳥類には毒性が低いという特徴を持っていることから、最も身近で使われている殺虫成分と言えるでしょう。(人に対しても喘息などを引き起こす可能性有り)
「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)には、さまざまな殺虫成分が使用されていますが、そのなかでも最も多く使用されているのがピレスロイド系の殺虫成分です。
これは、蚊とり線香の原料として使用されたシロバナムシヨケギク(除虫菊)の花に含まれる成分(ピレトリン、ジャスモリン、シネリン)とよく似た作用・構造の化合物のことで、害虫に対して殺虫効果や忌避効果を示すことから、古くから「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)の殺虫成分として使用されています。
そして、ピレスロイド系の殺虫成分の特長は、以下に示すように「家庭用殺虫剤」(虫ケア用品)の主成分として適しているといえます。
ピレスロイドの効果
先程も述べましたが、ピレスロイドは神経に作用する神経毒です。正常な神経伝達が阻害されることで『痙攣』や『麻痺』といった症状を引き起こします。このメカニズムは主に昆虫に対してではありますが、爬虫類に対しても似たようなものであると捉えて良いでしょう。
ピレスロイドが含まれている商品
空間に作用する殺虫・虫除け商品にはピレスロイドが含まれているものが多い印象です。
- 蚊取り線香
- バルサン系の燻煙殺虫剤
- アースノーマット系の霧状殺虫剤
- 虫除けスプレー
- 殺虫スプレー
- 空間用虫よけ剤(虫コナーズなど)
普段何気なく使っているものでもピレスロイドなどが含まれている可能性があるので、成分表などをよくチェックしてみましょう。
ただし、中にはピレスロイドという表記が成分表に載っていないものもあります。以下の表は所謂ピレスロイドの仲間にあたる成分なので気になる方はチェックしてみてください。
- ピレトリン
- アレスリン
- フタルスリン
- レスメトリン
- フラメトリン
- フェノトリン
- ペルメトリン
- エムペントリン
- プラレトリン
- イミプロトリン
- トランスフルトリン
- シフルトリン
- プロフルトリン
- メトフルトリン
- モンフルオロトリン
- シラフルオフェン
いっぱいあるから覚えるのが大変…。
『ペットでも安全』『植物由来』の商品も要注意
『ペットでも安心して使える殺虫剤・虫よけ剤』のような商品も市場にはよくありますが、この場合のペットとは基本的に犬や猫のことを指すので、爬虫類のようなエキゾチックアニマルはほぼ含まれていません。
また、そもそもピレスロイドは植物由来の成分になるので、『植物由来』を謳う商品に対しても爬虫類に対してはしっかり効いてしまう可能性があることを留意しておきましょう。
さいごに
爬虫類のようなエキゾチックアニマルはまだまだ世間にペットとして認知されていない時代ですので、防虫・殺虫剤でエキゾチックアニマルでも安心して使えるような商品は市場にはほぼない状況です。せいぜいハーブ系の忌避剤程度なら大丈夫ですが、ハッカ油を使った結果トカゲが嘔吐したという研究結果もあるので過信は禁物です。(参考URL)
また自身がどんなに気をつけていても『集合住宅で隣の部屋か使ったバルサンの成分が外から入ってきて爬虫類が亡くなってしまった…』という情報がSNSで発信されたこともあります。
当ブログで扱っているレオパなどは比較的小型の爬虫類になるので、少量の殺虫成分でも影響を受けてしまう可能性は十分に考えられます。ミルワームやデュビアなどを自家繁殖させている方は下手をすると全滅の可能性もあるのでより気をつける必要があることでしょう。
レオパのようなエキゾチックアニマルを飼育しているときは、殺虫剤や防虫剤の使用をなるべく控え、やむを得ず使用をしなくてはならないときは確実に飼育個体を退避させ安全な状況で使うことを心がけましょう。
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