昨今の爬虫類市場において、レオパの餌はトップクラスに種類が多いと言っても過言ではないでしょう。ひとえに昆虫餌といっても活餌から冷凍にいたるまで形態は様々です。
今回はそんな形態の一つである『乾燥コオロギ』のレビュー・考察記事となります。
乾燥コオロギに関しては意外と情報やレビュー記事が少ないと常日頃感じておりましたので、今回は筆者が飼育しているレオパたちに実際に与えた感想を交えながらレビューしてみます。
乾燥コオロギの導入を考えている飼育者の参考になれば幸いです。よろしくどうぞ。
乾燥コオロギ導入のあれこれ
乾燥コオロギの導入理由
レビューをしている人があまりいなかったから…という理由も大きいのですが、乾燥コオロギの導入理由としては以下のとおりです。
- 筆者の飼育しているレオパで人工餌を食べない個体がいる
- 一応常温保存可能な昆虫餌が欲しかった
- 冷凍餌は輸送費が嵩張るので乾燥餌が常用に耐えうるか調べたかった
筆者の飼育しているレオパで人工餌を食べない個体がいる
本心を言えばレオパゲルだけで飼育を行いたいのですが、筆者の飼育しているレオパたちのなかで21匹だけ人工餌を頑なに食べない個体がいます。極限まで空腹にさせれば食べなくはないのですが、そこまでして人工餌に拘る必要もないなということで昆虫餌を探していました。
一応常温保存可能な昆虫餌が欲しかった
ワーム系の乾燥餌も使ったことがありますが、ワームの乾燥餌はかなり小さいので、レオパに与えるにはやや不向きでした。災害大国日本のなかで非常時に常温保存可能かつ純粋な昆虫餌を探した結果乾燥コオロギに行き着いた次第です。
冷凍餌は輸送費が嵩張るので乾燥餌が常用に耐えうるか調べたかった
冷凍餌はどうしてもクール便になるので配送料が高く付きます。(大体1000円超える印象)
ショップなどへ買いに行けば配送料は掛かりませんが、手間などを考えると通販での購入のほうが圧倒的に楽です。AmazonPrimeに加入していれば送料無料だったりするので、選べる乾燥コオロギの種類も豊富になります。レオパ飼育において乾燥コオロギのクオリティが常用に耐えうるのであれば完全に切り替えてもいいなと思って導入を決めました。
今回導入した乾燥コオロギ
今回使用する乾燥コオロギは月夜野ファームさんの『フタホシドライ羽つき』となります。先にお伝えしておきますが、レオパに使用するのであれば羽付きサイズよりもM-Lサイズを個人的にオススメしておきます。理由は後ほど書いておきます。
さて今回導入したフタホシドライですが内容量は70g、匹数にすると大体280匹ほど入っています。100gあたりの栄養価表記もあったので、ホームページより引用する形で載せておきます。
- エネルギー…443kcal
- タンパク質…67.1g
- 脂質…16.8g
- 炭水化物…5.9g
- 灰分…5.1g
- カルシウム…200mg
シンプルな昆虫エサですので流石にリンとカルシウムの比率は決してよくありません。給餌の際はカルシウムをダスティングしましょう。
乾燥コオロギのレビュー
ここからは月夜野ファームさんの乾燥コオロギレビューとなります。とはいえ基本的にはどの乾燥コオロギも似たようなものだと思います。
パッケージ
パッケージはいかにも爬虫類用のエサという印象を受けます。ジップロック方式で密閉できるので品質管理は楽ちんです。中身を開けると乾燥コオロギがみっちりと詰まっており、匂いは比較的強めで、冷凍状態のコオロギに比べるとだいぶ昆虫臭があります。触った感触はカリッカリで冷凍餌に比べると質量的に軽い感じがします。

ミッチリ詰まってて、開けるとムワッと香ってきます
裏面には基本的な情報が記載してあります。ネズミやフクロウといったエキゾチックアニマルの写真が掲載されているので用途は多岐にわたるようです。
羽付きサイズはかなり大きめ
私の飼育している個体はすべて3歳以上のフルアダルトになるので、羽付きサイズでもなんとかなるだろうと安直な考えで購入しました。冷凍のM-Lサイズのコオロギを購入すると結構サイズにムラがあって小さいサイズが最後余りがちになるのが嫌だったという理由もあります。
ですが、いざ開けてみると羽付きのサイズはかなり大きく、レオパに与えるにはちょっと大きいなという印象。
ざっくり平均2cm程度。アダルトのレオパだとなんとか食べれるというサイズです。 写真のコオロギは事前に足を外してます。
羽付きサイズで5~8匹ほど与えるのがちょうど良い
私の飼育個体の話になりますが、フルアダルトで一度に与える給餌量は5~8匹くらいです。大体3~4匹ほど与えると喉がパンパンに膨らみ、それを胃に押し込んでからまた3~4匹ほど食べるといった感じです。
一番最初に与えたときは結構硬い状態で給餌してしまったので、ちゃんと排泄できるか不安だったのですがしっかりと消化されて排泄されました。おそらく硬い状態のまま与えすぎると消化不良を起こす可能性があるので、しっかりふやかすのと給餌量の調整は必須だと思います。
まとめ
乾燥コオロギのよかったところ
保存に優れている
なんといっても常温保存が可能なところでしょう。未開封状態で半年保存できるのは非常食として非常に優秀といって良いと思います。
開封後は90日が目安とのことなので開封したら早めに使い切ってしまいましょう。
コオロギの状態はかなり良い
これは月夜野ファームさんの商品特有の良さかもしれません。水でふやかしたあともぷりぷりの状態が維持されいるので筆者の飼育しているレオパたちの食いつきが非常に良かったです。カラッカラに乾燥されているのでふやかすとペシャンコになっていしまうのかなと懸念していたところでもあったので、これは嬉しいポイントでした。
乾燥コオロギのちょっと大変なところ
冷凍コオロギに比べてふやかすのに時間がかかる
ぬるま湯に30分~1時間くらい浸けていても中々ふやけません。冷水だとカッチカチです。月夜野ファームさんの乾燥コオロギはぬるま湯で5分でふやけると言っていますが、フトアゴヒゲトカゲやアオジタトカゲのような顎の力が強い中型トカゲならその時間で良いのかなかという印象。レオパサイズの爬虫類ですとかなり食べるのに難儀している印象です。よって与えたいときにすぐ給餌したいという人には不向きといっていいでしょう。
ダスティングは必須
デメリットとして挙げるほどのことでもありませんが、シンプルな昆虫餌ですので栄養補助としてダスティングを行うのは必須です。日々レオパゲルのような人工餌を使用している方にとっては手間に思えてしまうかもしれません。
レオパを1匹だけ飼育している人は持て余すかも
内容量がかなりあるのでレオパを1匹だけ飼育している方は量が多すぎて持て余してしまうかもしれません。特にフルアダルト個体になると給餌間隔も空いてくるので使い切るのに数ヶ月はゆうにかかると思います。
さいごに
餌関係の記事では大体書いているのですが、どんな餌も食べるかどうかはその個体次第です。人工餌を好む個体もいれば、昆虫餌のみ受け付ける個体、昆虫餌の中でも活餌にしか興味がない個体など様々です。飼育者側からすれば管理が楽な給餌を行いたいと思いがちですが、せっかくの爬虫類飼育ですのでその個体に合った給餌を試行錯誤するのも楽しいかもしれません。私も記事のために色々な餌を与えていますが、その都度好みが分かれることが多いので毎回勉強になっています。
以上、乾燥コオロギのレビュー記事でした。
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